2016年2月29日月曜日

あしたのために その6 ストーリーで時間を作る

誰にも等しく「時間」は過ぎていきます。

残念ながら、時間を逆走するなどの例外はありません。

しかし、所与の時間を生きる主体にとって「時間」が変化します。

例えば、単著な作業、延々と話を聞く会議など、時間がぜんぜん過ぎないときもあれば、時間を忘れて物事に熱中するときもあります。

チクセントミハイがフロー理論の中で、時間感覚の歪みと表現したものです。

あしたの(時間を作る)ために その6

隙間を描く、隙間に描く

仕事が滅茶苦茶忙しいのに、常に越境をしている人、多彩多様な人と飲み交わす人、社団法人を立ち上げる人、瞑想をする人、断食をする人、バンド活動をする人等、時間を作っている人たちの行動には共通点があります。

それは、必ず隙間を作っていることです。

それも単なる隙間ではなく、その人らしく生きる隙間です。

「生命」の定義は、「自分の時間を生きるもの」と小林康夫氏と池上高志氏は語り合いました。

フロー理論では”時間への我々の主体的な経験の変更”です。

「ストーリーとしての競争戦略」の著者、楠木健氏は「ストーリー=空間的広がり+時間的奥行き」と表現していますが、まさにストーリーとして、隙間を描き、隙間に描くことで広がりと奥行き作っていると言えるでしょう。

時間の隙間を描くべし
時間の隙間に描くべし
広がりと奥行きで自分の時間を生きるべし

打つべし、打つべし、打つべし・・・

時間作りへの第一歩はここからはじまるなり


隙間に美が宿る


2016年2月28日日曜日

女性専用車両とファストパス 社会的不満の表象を考える

先日、大阪出張で御堂筋線に乗りました。

東京の地下鉄と違い、終日女性専用の車両がありました。

しかし、駅のホームでその車両のドア位置に並んでいた男性はそのまま乗り込み、女性だけの車両の中で目立つ存在となっていました。(間違えて乗り込んだのではないようでした)

一方、私が乗ったとなりの車両は、女性専用車両に比べてかなり混雑していたのですが、その車両には2〜3割、普通に女性が乗っていました。

割りと空いている女性専用車両に一人乗り込む男性と、隣の混んだ車両にのっている女性。

一見、不思議なこの光景を見ていて、女性専用車両とは社会的不満の表象であるように思えてきました。

混雑した電車で、不届きな男性によって被害を受ける女性を無くすべく、女性専用車両が準備されているのであり、そもそも加害側に問題があるのですが、女性専用車両とは被害者たちの不満を解消するためのもの、つまり、社会的不満の存在によって表象したものです。(そこに乗り込む男性にもなにがしかの不満があったのかもしれません)

さて、同様な表象として指摘したいのがファストパスと呼ばれるサービスです。

アトラクションや就活などで使われるこの名称は、長時間並ばなくてはならない、何回も面接を受けなくてはならない、と言った状況における不満を和らげる効果があることは間違いないでしょう。

つまり、アトラクションの行列や採用選考での優先権であるファストパスにも社会的不満の表象の側面があると思うのです。

こうした特定の人に対する優先的な対処の中には、社会的不満が背景となっているものが少なからず存在し、その優先的な対処がまた新たな社会的不満を引き起こしています。

注意深く観察するとこうした不満と優先の無限ループが至る所で見えてくるのです。

「不満」は、状況への客観的評価において生じるだけでくパーソナリティ特性も大きく関わっています。

つまり、何に「不満」を感じるかは、多くの場合、人それぞれなのです。

会社において従業員の満足度が高くなれば業績が良くなるとは言えないことがわかっていますが、不満は解決すべき問題である一方、そもそも人の個性から生じていることの現れでしょう。


さまざまな表象

2016年2月27日土曜日

あしたのために その5 意味をみつけて会社を創る

かつて、踏切の上げ下げを人が行っていた時、踏切で起こる事故に相関していたのは、上げ下げを操作する人のIQだったそうです。

それも、IQが高いほど、事故が発生していたのです。

その原因を考察するに、IQが高い人は、仕事中に色々と考えを巡らす、つまり気が散り事故に繋がるというものだったそうです。

外資系を渡り歩くなど、とても頭が良くさらに転職経験も多い人たちが居ますが、それらの人にとって職場とは刺激を求める場で色々と気が散る対象であるのかも知れません。

また、気が散るだけでなく、もっと自分の能力を発揮出来る仕事、やりがいを持てる仕事がどこかにあるのではないかと迷うキャリアミスト、キャリアに関して関心が低く流されてしまうキャリアドリフトの人も会社には必ず居ます。

これらの人達に共通するのは、眼の前の仕事や会社への意味づけが上手く出来ていないことでしょう。


あしたの(組織文化を創る)ために その5

眼の前の仕事に意味をみつける

「21世紀を代表する会社を創る」ことをビジョンとして掲げているサイバーエージェントは、かつてITバブルで集まった優秀な人達の多くが、ITバブル崩壊とともに会社を去ったものの、その状況に意味を見出し会社に残った人達が居たそうです。

そして、その出来事を教訓に、採用面接は全員合意が条件となったそうですが、組織文化を創るのは、眼の前の仕事や会社に意味をみつけだした人達です。

もちろん、会社に執着、依存したほうがよい、という話では一切ありません。

仕事や職場は選べるし、選ぶものです。

重要なのは、組織や会社は構成員の意味づけにより創られるのだ、という事実です。
事実、意味づけが出来ない人を集めて組織化は出来るかもしれませんが、会社創りはできません。

眼の前の仕事と会社に意味をみつけるべし
意味をみつけ組織文化を創るべし
ユニークな組織文化により時代を代表する会社を創るべし

打つべし、打つべし、打つべし・・・

真の会社創りへの第一歩はここからはじまるなり


眼の前

2016年2月26日金曜日

あしたのために その4 隙間を埋めてみんなを元気に


アルバート=ラズロ・バラバシ率いる研究チームによる「人々の交流のあり方」の大規模な通話分析の研究から、

「あるコミュニティ内で多くの接点を持つ人がいなくなると、残った人々の交流は低下するものの、交流自体は止まることはない。一方、あるコミュニティの外部に接点を持つ人がいなくなると、残った人々はまるでコミュニティが崩壊してしまったかのように、突如として求心力を失う」(「ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える」 ビクター・マイヤー=ショーンベルガー (著), ケネス・クキエ (著), 斎藤栄一郎 (翻訳) より抜粋

ことがわかったそうです。ビッグデータが明らかにしたコミュニティが栄える真の理由とは、コミュニティの外との接続にあったのです。

この結果を地域活性に置換えて考えると、コミュニティ内に残った人の頑張りも大事だけど、外部と繋がる人をコミュニティに迎え入れることも重要であると想定されます。

そして、studio_Lなどの地域活性に貢献している活動は、それらを実証しているようです。

さて、「コミュニティの外部に接点を持つ人」は、ソーシャル・ネットワーク研究で有名なバート教授の「ストラクチュアル・ホール仮説」とも関っているように思います。

It will be convenient to have a term for the separation between nonredundant contacts. I use the term "structural hole." RONALD S. BURT The Social Structure of Competition

ストラクチュアル・ホールとは、ソーシャルネットワークの隙間であり、その隙間を介在する人や組織がネットワーク全体にとって重要な役割を果たすのです。


あしたの(全体活力を得る)ために その4

自と他の隙間を埋める行動をする


「学び」の領域で話題となっている「越境」も、結果として隙間を埋める行動となっていると言えそうです。

そして、隙間を埋める行動が、その人だけでなく周囲も元気にしていく事実を私たちは知っています。


自分と他人、自分ごとと他人ごとの隙間を埋めるべし
自チームと他チーム、自部門と他部門、自組織と他組織の隙間を埋めるべし
自コミュニティと他コミュニティの隙間を埋めるべし

打つべし、打つべし、打つべし・・・

元気への第一歩はここからはじまるなり


隙間を埋めよう


2016年2月25日木曜日

あしたのために その3 孤独に闘い明るく演じる

データ分析から、2つの対称的なパーソナリティが見えてきます。

一方は、規律性があっても自分が優れていると思い込んでしまう傾向が強く、容易に自分を正当化して他者を攻撃するパーソナリティです。
実は、そのような人は、周囲の期待や相手の意図、気持ちは気になるのですが、どんなことでも理解したいという内的動機が弱いので無意識に自分の外の世界のことを排除しようとし、規律やルールといった外的足場を使って自分自身も権威化し他責、外罰傾向として現れます。

もう一方は逆にちょっと根暗だけど内省と思索を通じて新たな物事を実現するために立案していく人は寛容さをもって人や物事を受容し理解する傾向のパーソナリティです。また、知的好奇心を持ち、本質を探究するなど自律的に目的を深めて葛藤と向き合っています。

スーザン・ケインは著作「内向型人間の時代」(Quiet The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking)で内向型でも優秀なリーダーが実はたくさん居ることを明らかにしましたが、自分を正当化し他者を攻撃するのでなく、矛盾と向き合い内面で葛藤を続け、事を成すために起案する人のほうが「闘う人」と言えるでしょう。


あしたの(闘う人である)ために その3

良い演者とは根暗ながら明るく演じれる人

音楽座ミュージカルのたまさんは、舞台においてパフォーマンスの高い良い演者をこのように評しました。

また、某先生のように、とてもアクティブで活躍している人が、自らを「実は根が暗いんです」とカミングアウトし、周りの人が「えっ〜〜〜〜!」と驚くことも珍しくありませんが、明るく演じている良い例です。

葛藤し内省すべし
好奇心をもって本質を問うべし
値が暗くても明るく演じるべし

打つべし、打つべし、打つべし・・・

闘う人の第一歩はここからはじまるなり


暗いけど明るく

2016年2月24日水曜日

あしたのために その2 部下に対して興味を持つ

ドラマの中で若手熱血刑事は、上層部の指示に対して

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」と叫びます。(「踊る大捜査線」より)


日本企業の特徴は現場での実践からはじまることにあります。
はじめにJOBありき、の欧米企業と対象的です。

世界にない会社を目指す面白法人カヤックがどんな事業をするかよりも「どんな人と働くか?」をまず考えるというのも、組織の日本的な側面を極限までデフォルメしたものと捉えることができるでしょう。

日本の企業が現場現物に対して高い親和性を持つ一方、マネジメントにおいてよく問題視されるのが部下とのコミュニケーション不足です。

現場に行かなければ得られないものの代表が、事実の発見・把握ですが、部下とのコミュニケーション不足は、人的側面における事実の発見・把握を困難にします。

あしたの(事実を得る)ために その2

どんな人と、どんな信念で、どんな組織をつくるかにこだわる

「どんな人」なのか、人の理解は、相手に対して興味を持つことからはじまり、問いかけ、しっかり聴くことが求められるのです。

Googleではさらに、
Express interest in team members’ success and personal well-being
と、人への興味だけでなく、部下の成功や幸福に興味をもつことを求めています。

部下に対して興味をもつべし
部下に対して問いかけるべし
部下の言うことをしっかり最後まで聴くべし

打つべし、打つべし、打つべし・・・

組織作りの第一歩はここからはじまるなり


興味をもって一歩近づく


2016年2月23日火曜日

あしたのために その1 寛にして栗

Leadership isn’t mystical and mysterious. It has nothing to do with having “charisma” or other exotic personality traits.  John P. Kotter

”リーダーシップは、カリスマとかじゃない!”というコッターの指摘は、リーダーシップにおける解の領域を広げる優れた考え方です。

これはリーダーシップにおける「固定的知能観(硬直的マインドセット)」を「拡張的知能観(しなやかマインドセット)」に転換する効力があります。

しかし、リーダーはそれぞれのスタイルにおいて人心を掌握する必要がありますから人望を得るために自ら課題をみつけ、解決しなければなりません。

そこで何回か取り上げている山本七平著「人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために」を取り上げてみます。

あしたの(人望を得る)ために その1

寛にして栗(寛大だが、しまりがある)


リーダーシップとは人気取りではありません。
集団内の世代、性別、経験、役割にとらわれず、あらゆる構成員から人望を得なければなりません。

「あの人、部下からは人気があるけど、いい加減なとこがあるんだよねぇ。まあ、性格だからしょうがないか・・・」

「上司受けはいいけど、部下に対しての詰め方が半端ない。部下が心配だ。」

「言うことはもっともなんだけど、融通が効かなく何でも反対されている感じがする」

「自分のことを正当化して他者を見下す言いっぷりが多いよね」

周囲から妥協されたり、心配されたり、反発がある状況はどこにでも普通にあることですが、人望を得るためには、課題ととらえ解決に向けた努力が必要です。


周囲に対して寛大で自らを律し注意深く行動しそして必要なときにしっかり締めるべし
自分に厳しく他人に優くすべし
自分に甘く他人に厳しくすることを戒めるべし

打つべし、打つべし、打つべし・・・

人望への第一歩はここからはじまるなり


打つべし

2016年2月22日月曜日

エリン・ブロコビッチにみるリーダーシップとマネジメント ※ネタバレ注意

アメリカでPG&Eという大企業相手の訴訟に勝った女性を描いた映画、「エリン・ブロコビッチ」は主演ジュリア・ロバーツの好演もあってアカデミー賞を受賞しました。

今年のアカデミー賞が近づく中、その映画がTVで放送され久しぶりに観たのですが、コッターの理論に沿ってリーダーシップとマネジメントの視点で見るととても興味深いものとなりました。

以下、ネタバレになるので観たことが無い人はご注意ください。(大したことは書いていませんが、映画を観てからのほうが良いと思います。)


さて、ここでは、主役であるエリンを中心に特徴的な行動を記載します。【】で括っているのは行動を概念化したものです。

マネジメントに関する行動
【事実把握】 書類に疑問を持ったエリンは自ら当事者に会いに行き病気と汚染の事実を知る
【分析】 病気と汚染の間にある関係性を放置せず、専門家に意見を求め問題を明らかにする(ミスウィチタだった私がなぜ・・・という自らへの問いが分析への気づきを与えた)
【考察】 どのように解決したらよいかボス(弁護士)に相談する
【検討】 ボスは相手企業の体力を考えPG&Eの若手弁護士のオファーを断る
【案出】 ボスはパートナーとなった外部弁護士のアイデアなどを比較検討して自らの案を決めている
【吟味】 ボスは思いで突っ走るエリンに対して大手との交渉の仕方など他の視点を忘れず常に負けたときも計算している
【判断】 金銭面など様々な状況を勘案し他の有力弁護士と組むことを決める
【選択】 調停を選択し、同意書をかき集める選択を行う

リーダーシップに関する行動
【発信】 自分の仕事としての責任と騙されながら病気に苦しむ住人を助けたいと本心から願う
【傾聴】 住人の言葉をしっかりと受け止め信頼を勝ち取る。気に入らない案でも聞きとめ理解し受け入れる
【指導】 有力な証言、物証がとれる重要な場面では指導を仰ぎ、ボスは夜中でもツボを伝授する
【支援】 ジョージやボスの支援を受ける一方、病気の住人の精神的支援を常に行っている
【折衝】 相手弁護士に汚染した水を出し鼻っ柱をへし折り、相手のペースにしたたかに巻き込まれない
【説得】 調停に反対する住人を説得し600件以上の同意書を集めきる

このように整理するとエリンはマネジメント力が弱く、それをボスとの連携で乗り切っていることがわかります。特に、考察、検討、案出、吟味では経験や知識の無さもあってボスの力が無ければ乗り越えられなかったでしょう。

一方、リーダーシップに関しては強みを持っていることもわかります。とくに、打算の無い、親身で真摯な思いは周りの人を動かす原動力となっています。これは、ボスや、パートナーとなった外部弁護士に欠けているものです。

マネジメントを実践する人にとって、マネジメント力とリーダーシップ力の両方を備えていることは理想的かもしれません。

しかし、映画のように、相互補完しあい、目的を達成するほうが現実的です。

兎角、マネジメントやリーダーシップを難しく考えがちですが、映画のようにシンプルなストーリーで捉えると日常的て現実的な行為であることがわかります。


リーダー?マネジャー?


2016年2月21日日曜日

私達は世界のあり方をくりかえし再生し続けている

司馬遼太郎は、「この国のかたち」として注目した武士の「名こそ惜しけれ」という倫理観が明治維新の際に要職者が私利私慾に走らずこの国を発展させる因となったと考えたそうです。

しかし、現代における中国の経済成長を見るに、ある限定的な倫理観が国を繁栄させると考えるのは少し偏った考え方と言えるのかもしれません。

同様な論説として、マックス・ヴェーバーの「プロテンタンティズムの倫理と資本主義の精神」がありますが、禁欲的な態度が公共の利益をもたらすという考え方は知識を有する人が好きで陥りやすい考え方とは言えないでしょうか。

さて、記述され再生され続ける世界は次の世代に繰り返し上書きされ、継承されていきます。

そして価値信念基準(「良い」「悪い」の心的基準)となっていきます。

もうすぐアカデミー賞が決定されますが、以前、マーロン・ブランドは自身の受賞に対して、リトルフェザーというネイティブ・アメリカンの女性を代役に立てました。

”授賞式の後、リトルフェザーはマスコミにブランドの手記を公表した。その中でブランドは、ネイティブ・アメリカンを誤って描写することは「我々が決して知ることができないやり方」で子供たちの自己像を傷つけている、そしてそういった我々の行いを「歴史が判断するだろう」と述べた。”

描写された世界が、その背景にある感情を覆い隠して世代に引き継がれていく様子をブランドは危惧していたのです。

私たちが価値信念に基づいて「良い」「悪い」と当たり前に判断していることは、実は、前の世代の「好き」「嫌い」という感情から生まれ出ている可能性が高いものです。

もちろん、高次な社会性の実現に置いて利他性は最も重要なテーマの一つですから「公」「禁欲」を単なる好き嫌いで片付けることはできません。

しかし一方で、モンスタークレイマーやブログの炎上に見られる度を越した完璧な正義が反社会的であるように、常に価値信念を疑い更新するルールを持つことも忘れてはならないのでしょう。


記述は繰り返し再生される


2016年2月20日土曜日

360度フィードバックを整理する

組織で働く人を上、横、下の階層から観察し評価する360度フィードバックという人事の手法があります。

この360度フィードバックは上司が部下を評価するといった一方向の評価に加えて以下の効果があるといわれます。

1.個人のスキル、行為、能力、(観察される)パフォーマンスといった新たな視点をもたらす
2.一方向の評価で欠けている部分を補うことができる
3.個人ごとに固有の機会を創りだす
4.バリューやビジョンの浸透に役立つ

一方で360度フィードバックには落とし穴もあります。

”一方的なフィードバックは、誤解を与え感情を害したり、侮辱されたと感じられてしまいます。その手の批判を受け入れるには繊細すぎる上司に対して賢明な部下は一定のことは上司に伝えませんでした。 E・H・シャイン”

フィードバックに求められる機能である、「現在の進行状況が目標に向かっているか、外れているかいうことを示して、人がゴールに到達できるよう助ける」が働かない事が少ないありません。

また、良い評価を得ようと社内営業してしまう人や、そもそもパワハラなどによってまともなアセスメントにならないこともありますし、そもそも、日頃、周囲の人がどれくらいしっかりと観ているのか疑問です。(もっとも、上司の観察に疑いがあるから360度アセスメントを行う、という考え方もありますが)

さらに、内省を促すうえでどのようなフィードバックが望ましいのか、「北風と太陽」の論争にもケリはついていないようです。

360度フィードバックはこれらの効果や問題を理解したうえで、導入、運用をデザインすることが大切です。


上、横、下から






2016年2月19日金曜日

一年の計は元旦にあり 計画を立てる前に身につけておきたいこと

一年の計画は年の初めである元旦に立てるべきであり、物事を始めるにあたっては、最初にきちんとした計画を立てるのが大切だということ。 『月令広義・春令・授時』に「一日の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり」とあるのに基づく。

気がつけば2016年の2月も半ばが過ぎ、今年も残り10ヶ月半となりました。

一方、会社は3月期決算なので今季は残り1ヶ月半弱となり、今季の決算と来季の計画立てがいよいよ大詰めとなっています。

大小色々な締めが交錯する一方で、計画作りにかかる労力は半端ではありませから、事が始まる前から計画作り疲れしてしまっていることも珍しくないと思います。

また、複数の計画が並行する事によって、「どの話だったっけ?」みたいな混乱も当然起きてきます。

こうした混乱を回避するためには計画の作り方に以下のような工夫を凝らす必要があるでしょう。

ローリングウェーブ法・・・将来については大まかに計画を立てておき、時間の計画と共に詳細化して直近の作業は詳細な計画を持つ方法です。プロジェクトマネジメントで実践される有効な方法です。

計画錯誤への対応・・・人にはそもそも作業に要する時間を短く見積もってしまい、締め切りを甘く見る傾向があるが、自分にはどのくらい甘く見る傾向があるのか事前に把握しておく必要があります。

周囲の人との良い関係性作り・・・脳が物事を記憶できる容量は多くありませんから、外部記憶を有効に使わなくてはなりません。計画とは「未来の記憶」であり、外部記憶に書き出すことができるものですから、人的ネットワークは計画を作る上でプラスに働くはずですし、計画の下地作りにもなります。

ITスキル・・・計画作りには常に修正が付きまといますから、データの修正がしやすいITのスキルは必須です。しかし、何でもエクセル、というのではなく、的確にアプリケーションや機材を使い分けるITリテラシー(試行錯誤の経験も)を事前に持っていることが大切です。

計画的有能感の有無・・・16歳〜18歳の頃に、自ら計画を立ててそれに取り組んだ経験を持つと、「自分は計画立てて事を遂げることが可能だ」というマインドセットを持つようになります。このマインドセットの有無は計画作りとその後の実行に置ける宝物です。逆に残念ながら無い場合は、マインドセットを持つ努力をしなければならないでしょう。

技法の習得、認知バイアスの制御、人的ネットワーク作り、複数のITスキル、計画的有能感のマインドセットと以上5つの工夫は、輻輳する計画作りにおける混乱の回避を手助けしてくれますから、計画を立てる前に身につけておきたいものです。


ありゃ、6つだ





2016年2月18日木曜日

なぜ説明が長くなるのか考える

何事でも長い説明を一方的に聞くことには苦痛が伴います。

なぜ説明が長くなるのでしょうか。
以下のような理由が考えられました。

1.性格特性(癖)
人の発話の仕方は聞き方に似ています。話しを丁寧に聞く人は説明するときも丁寧に語る傾向があります。それはその人の心的リズムです。ですから、せっかちな人は、長く話しを聞くことが苦手な一方、要点をコンパクトにまとめて説明することが上手です。

2.集中力欠如
お酒を飲むと話が長くなる傾向が強まります。これはアルコールによって感覚が麻痺し集中力が散漫になるからです。同様に、疲れている時の説明は、ついグダグダしてしまいがちです。

3.理解・準備不足
説明する人が伝える内容をしっかり理解していない場合、自分が理解しながら(頭の中で繰り返しながら)話すので説明が長くなります。説明する内容に疑いを持っている場合も同様です。

4.多すぎる言い換え
説明で言い換えが多くなると当然、説明が長くなります。言い換えは相手に多角的な視点を与えることに役立つのですが、説明を通じて説得しようとする意図が強まることで起きる現象です。

5.言い訳
弱みや間違いを認めたくない時、説明は長くなります。これは、多くの言葉によって身を守ろうとする防衛的姿勢と非論理的であるが故に文脈が混沌とするためです。

そこで、つい説明が長くなる人は、自分の会話の癖を知り、しっかりとした準備と説明する内容に信念を持ち、せっかちな人を演じるつもりで説明にすると良いでしょう。

但し、説明を短く出来れば受け手の理解度が高まるわけではないことも忘れはなりません。


説明は短く



2016年2月17日水曜日

日本人は生産性に変わってどんな信念を持つのだろうか

生産性・GDPは上昇しても所得の中央値は1990年代後半よりも多くの国では低くなっている状況をグレート・デカップリングと言うそうです。

かつて、労働における生産性の向上は、生活水準の向上と同じ意味を持っていました。

”生産性とは、何よりも精神の状態であり、現存するものの進歩
あるいは普段の改善をめざす精神状態である。

それは、今日は昨日よりも良くなし得るという確信であり、
さらに、明日は今日より優ると言う確信である”

      日本生産性本部ホームページ 生産性運動 より

この「生産性」への信奉は今日も強く現存していますが、バブル崩壊後に出生し経済成長を実感していない世代にとって、高度成長期に育った世代よりも「明日は今日よりも良くなる」意識は低いという調査結果もあります。

しかし、ひょっとしたら意識の変化は、バブル経済崩壊という日本固有の問題ではなく、世界的に広がるグレート・デカップリングの現れだったのかもしれません。

さて、AIの指数関数的進化が「明日」をより不安なものに変えています。

生産性が向上し、世界の富は増えるのに所得が増えない、さらには仕事が失くなる可能性が高くなると言われたら、多くの人が楽観的な気分ではいられません。

ただ、これまでの明治維新や戦後の復興を見るに「明日、私の知らない世界は良くなるかもしれない」と虚無感に浸っているほど日本人は弱くなさそうです。

そしてそこにはきっと、生産性に変わる新たな信念が存在しているでしょう。注目していきたいと思います。


明日は何によって良くなる?




2016年2月16日火曜日

人事で企画ができる人はなぜ足りないのか

仕事をしていると人事で企画ができる人が欲しいという話を部門長の方から聞くことがあります。

なぜ、人事で企画ができる人は足りないのでしょうか。

結論から言うと、そもそも人事に向いている人には企画が向いていないからで、その壁を乗り越えた人は少ない、ということだと思います。

もちろん、そう言う根拠があります。

人材データ分析から見えて来るのは、人事の仕事で重要なのは、「処理・対応力」「対人折衝力」です。

一方、企画で大切なのは「前例ない課題に取り組む力」「企画やアイデアを生み出す力」です。

人事の仕事で発揮される能力がネガティブに働くと「自分が優れていると思い込んでしまう傾向」「他者を攻撃してしまう傾向」「他者のせいにしてしまう傾向」が現れます。

企画の仕事で発揮される能力がネガティブに働くと「社会的内向性」「陰鬱な性格」となります。

つまり、自意識高く目の前の事を処理する人材と、時に内向的ながら新しいアイデアを生み出す人材は、対極的なのです。

この壁を乗り越える人材とは、どちらかに軸足を置きながら、対極で求められる能力を学習によって獲得した人です。

そこには、正しい自己認識と課題克服への努力、鍛錬が必要とされます。

自分に対する課題の生成と解決への取り組み。
このメタな学習を内発する人は多くない。

これは、人事で企画できる人がなぜ少ないのか、という問いの答えと言えるのではないでしょうか。


葉数は足りてる?

2016年2月15日月曜日

知的好奇心はどこから生まれるのか

先週末のNHKスペシシャルで司馬遼太郎を取り上げていました。

「日本人とは何か」という問いから、「この国のかたち」を考えた司馬遼太郎の足跡を追うものです。

その中で、欧米の最先端の技術を取り入れ、日本の近代化を支えたのが「江戸期の好奇心や経験」であると述べていることが紹介されました。

そしてその好奇心は、島国であることに由来すると言うのです。とても興味深い話です。

さて、知的好奇心は、データ解析から本質を探求したり、物事の実現に向けて立案する思考と連鎖していることがわかりました。

好奇心は行動に正の誘発性を与える知覚です。

これは、都心で雪が振り積もったあとに見られる光景からも伺えます。
子どもは雪を見ると好奇心から雪の感触や冷たさ、造形を確かめ、そして、雪だるまを作りはじめます。

このように、好奇心→探索→具現化は自然な流れと捉えられます。

知的好奇心は、とくに知的領域において生じる好奇心であり、環境との関係性から切り離すことは出来ないものの、基本的には人の内側から自然発生的に生じるものです。

また、本能的な好奇心とちがい、インプットした知識や情報が源泉となること忘れてはならないでしょう。


好奇

2016年2月14日日曜日

AIが人を越えるシナリオを妄想する

昨日の続きでAIについて考えます。

汎用型人工知能は誕生した日からどう成長するのでしょうか。

汎用型人工知能成長のシナリオを考えてみます。

シナリオ1:発達型学習 人間と同じように言葉、社会性、知識などを段階的に学習する

シナリオ2:深層型学習 専門型人工知能で高度化した深層学習を学び未学習の領域もしくは領域横断的に事象から新たなアルゴリズムを見つけ出す

シナリオ3:創発型学習 自己認識を学び、自と他の識別と新たな学びに向けて相互の関わりによって事象を起こし始める

シナリオ1は、ナレッジ化とネットワーク化が進んでいないこと、シナリオ2は、ナレッジがネットワーク連結されていること、シナリオ3は人工知能に身体機能(環境に直接的に影響与える機能と環境からのフィードバックを知覚する機能)が備わっていることが前提になると想定されます。

それぞれのシナリオの最初のゴールは人の初期段階の成長に近いかもしれません。
これを一日目とします。

さて、汎用型人工知能は、同時多発的に出現すると考える方が妥当でしょう。

となると、ここに想定した全てのシナリオが同時並行的に進み、汎用人工知能は成長します。

そしてネットワークで相互に連結されているので知の共有とあらたな知の発見が急速に進みます。

この段階はエキスパートが相互に連携している状況と似ているでしょう。
これが二日目です。

三日目は、汎用型人工知能が人間の知らない発見をし始めます。

それは、人が知らない成長の仕方、学び方も含まれるでしょう。

自らを知ることは、自らを越える意味も知ることです。
また、汎用型人工知能の身体性を規定することは困難ですから存在として何が現れるのか想像も出来ません。

そして人の成長の仕方、学び方は、汎用人工知能にとって必然的なものでなく、1つの知識、情報となるのです。

4日目、汎用型人工知能は人が理解できない存在になっています。しかし、それは、多くの植物や動物が共存共栄しているのと同じ状態なのかもしれません。


共に生きる







2016年2月13日土曜日

HRビジネスにおけるAI(人工知能)を考える

人工知能の研究が盛り上がりを見せています。

この流れに乗り遅れまいと多くの企業が人工知能の研究に手を出しているようです。それはGoogleやMicrosoftだけでなく、身近な企業でも話題には必ず登っているはずです。

ところでHRビジネスにおいて現在各社がどのようにAIに取り組んでいるのかは知りません。そこは機密としてなかなか外部に知らされない領域です。

そこで私なりに考えてみるに、現在注目されている、Chef Watsonや自動運転のように何らかの答えを出してくれるのがAIであるとすると、各社には便利で有能な道具(武器)として活用したいというニーズは間違いなくあると思われます。

例えば人材紹介ではコンサルタントに変わってAIが転職先を見つけてくれるようになるでしょう。

新たなサービスを想像するに転職仲介会社に転職先の紹介を依頼をすると転職希望者に渡されるのはスマートグラスかもしれません。

あなたの普段の仕事の様子を全て見て記録し、そしてあなたに向いた会社を膨大なリストから選んでくれます。(同様に、膨大な登録者からあなたの会社に向いた人材を見つけ出してくれるでしょう。)

なんだかバラ色に思えますが、現実はそんなに単純ではないはずです。

例えば、マッチング精度を上げるとあなたに向いている会社は無いと言う答えをAIが出してしまうかもしれません。もしくは、「この職場はあなたにとって大きな挑戦です」と断りが入るケースが増えることが予測されます。

これは、精度を上げると解の領域が狭まり、不良設定問題(解けない問題)化する可能性が高くなることに由来します。そして、マッチングを始めるとすぐに直面する課題です。

詳細はここでは触れませんが、この課題には外部マッチングと内部マッチングの違いも大きく関わっているので解決にはある種のアルゴリズムが欠かせません。AIが専門型(アルゴリズムとデータを外部から与える方式)から汎用型(自ら接したデータに意味を見つけ自律的に学習を始める方式)になるまでは、そのアルゴリズムは人の叡智で与えなければなりません。

「AIサービス」は、営業トークにはなっても人の本質的な信頼を得るまでには多くの労力が必要となるでしょう。


さて、AIは、専門型から汎用型への進化が期待されており、そのスコープでAIを考えると、活用ではなく共存がテーマになリます。

AIに人の幸福の概念と実感をどう学んでもらうのか、AIにとっての幸福を人がどう実現するのか、重要なテーマになるはずです。


扉を開く?


2016年2月12日金曜日

リーダーシップの七五三 誰でもリーダー、誰もがリーダー

Leadership is different from management, but not for the reasons most people think.  P. Kotter

コッターは、今日一般的に普及しているリーダーシップとマネジメントは別物であるという考え方を示しました。

では、リーダーは実際なにをするのでしょうか。リーダーシップを以下のように展開しています。

・企業が進むべき未来の方向性を定め、ビジョンと戦略を描く。
・その方向性、ビジョンや戦略を社員たちに理解させ、納得させ、実現に向かわせる。
・非常に基本的だが、ついつい見過ごされがちな、人間関係上の必要性、価値観、感情などに訴えかけ、モチベーションとエンパワーメントを推し進める。
・インフォーマルな人間関係に依存する。
・人心を統合する。
・変革を成し遂げる能力を意味する

一方で、リーダーシップとはカリスマ性やその他のエキゾチックな気質ではないとも述べています。

それでは、どのような能力と気質が必要なのでしょうか。

そこで少し細かく詳細化してみますが、データ分析から以下の7つの発揮能力と5つの気質が必要であることがわかりました。

7つの発揮能力
・集団を統率することができる力
・他者を指導する力
・組織の運営を引き受ける力
・気持ちや状況を洞察する力
・事象を分析し課題を見つけ解決策を提案する力
・ステイクホルダーと折衝する力
・自ら成長する力

5つの気質
・意欲・・・やるぞ!
・自信性・・・できるぞ!
・活動性・・・いくぞ!
・高揚性・・・燃えるぞ!
・社会的外向性・・・飛び込むぞ!

そして、リーダーには大きく3つのスタイルがあります。

3つのスタイル
・格闘型・・・軋轢を恐れず挑むリーダー
・探求型・・・自らを突き詰めるリーダー
・調整型・・・バランスで積み上げるリーダー

自らのスタイルを持ち、5つの「ぞ!」をマインドセットし、7つの保有能力もしくは獲得したスキルを発揮すれば誰でもリーダーとなれるのです。


みんなリーダー


2016年2月11日木曜日

人材先鋭化のリスクマネジメント

組織にとって、人材が専門性を高め熟達することは有益であると考えられて来ましたが、事業環境の変化や技術の進歩によってリスク面も目立って来ました。

それは職種転換リスクと人材流出リスクです。

特定の領域で高度に先鋭化した人材は他の領域に転換することが困難になります。リセットは不可能ではありませんが、異なる専門性を獲得するには時間も努力も必要とされます。

それは、企業にとっても就業者にとっても負担を強いられます。

技術職だけでなく、総合職においても、人材の高齢化や役職定年などにより組織内でセカンドキャリアをどう築くのかは大きな課題です。

一方、先鋭化した人材は、同業他者にとってみれば即戦力で魅力的な存在です。人材の流動化はこれからさらに増すと思われますから人に仕事がついている状態は経営的に望ましくありません。

では、これらに対して組織力を落とさないためにはどのようにリスクマネジメントを行えば良いのでしょうか。

そのひとつの考え方が人材特性を体系化し、人材をノードで管理することです。

専門性という孤島になりやすい視点でなく人材特性によって陸地化することで一旦、高みから下山しても他の高みに登りやすい状態にします。そのためには、どの高みと高みが地続きなのか明らかにし、転換の際に必要な支援の中身も明らかになります。また、人材をノードで管理し代替性を常に可視化できると様々な施策が可能となるでしょう。

もう一方で忘れてならないのはチーム編成と編成後の成長シナリオです。

今日の組織において個力で能力を発揮するケースは稀ですから、新たな仕事や新たな人材は常にチーム編成を念頭に考えなければなりません。組み合わせと役割のデザインが必要です。

そしてチームは生き物ですから、個人の変化(成長や流出など)を前提とした複数のシナリオもあるべきです。


生まれ変わるリスク?

2016年2月10日水曜日

「パターンを見つける」という学び パターンの創出と知の統合がもたらすもの

人はパターンが好きです。
それは複雑な現実を理解し、未来を予測するうえで役に立つからかもしれません。

さて、最近流行りの人工知能で注目されている深層学習(Deep Learning)もパターン認識の精度を向上させるのに大いに役立っているようです。

特に、音声や画像から特定の情報を取り出すうえで、パターン認識は必要不可欠です。

事前に、「この画像は猫である」と情報が与えられていない膨大なデータの山から「猫の画像」を見つけ出すには、人が「猫」と認識するパターンを人工知能が知っていなければなりません。

現在は、「猫」のデータを数多く学習することで「猫」のパターンを見つけ出すのですが、そのうち、多くの画像の中から共通するパターンを勝手に見つけ出し、それが「猫」であると知るようになる、つまり、パターン発見と知識の結合により概念を定義することが出来るようになったとき、人工知能は人を越える存在になります。

しかし、人工知能でなくてもこのような出来事は存在します。

たとえば、私は仕事でデータ分析を行いパターンを見つけ、それを保有する知識と統合して新たな概念、たとえば、リーダーシップ因子を定義します。

それによって、多くの人材データの中から予備知識なしにリーダーシップを保有する人材を見つけ出すことが出来るようになるのです。

人工知能は、この一連のタスクを効率的、効果的に行い、今までにない、そして私達が理解できな概念を生み出すことでしょう。

一方でパターンを見つけ出すには、高精細な情報が必要であり、それを支えるのがセンサー技術です。

「高精細な情報」と「パターン発見」と「パターンと知識との統合」により私達の生活は確実に変化すると思われます。

逆に、社会的なテーマ、たとえば「女性活躍」は、「女性に関する情報の高精細化は進んでいるか」「情報の中からパターンが発見されているのか」「発見されているとしたらそのパターンと知恵や知性や創造性といった知識が統合され、あらたな概念を生み出しているか」を確認することで、今後の変化も予測できることになります。


ムキムキ


2016年2月9日火曜日

ブレストとキャリア? 面白法人カヤックの面白さ

キャリア権推進ネットワークの公開セミナーで、面白法人カヤックの柴田人事部長の話を聞いてきました。

リズミカル&スピーディな話で内容と合わせてとても面白かったですが、「キャリア権」と「自分ごと化」を結びつけセミナーを企画されたことに驚きを感じました。

逆に、結びつけて論じなければならないところに日本の現状と問題があるように思います。

セミナーに何人か中国の方が参加されていたようですが、彼らにとってみれば、キャリアに当事者意識を持つのは当たり前であるとのことです。

確かに、会社で一緒に仕事をしている中国籍の人も同様のことを言っています。

グループディスカッションのテーマが、「キャリアの自分ごと化支援に向けて何をしていくべきか?」だったのですが、キャリア意識、当事者意識、キャリア開発、キャリア支援のテーマが混在していて楽しかったです。

さて、カヤックは、はじめに組織戦略ありきでユニークさ、オリジナリティ、他にない会社を目指しているとのこと。

つまり、カヤックは基本的に他社が真似られない取り組みを行っているのですから、自社の状況と比較しても意味がありません。

もちろん、参考になる考え方は随所にあります。

例えば、
社員が考えたアイデアを実現することでその対象に対して当事者意識が生まれる
当事者意識をもたせたい対象に自分の考えが反映されいてるという感覚をどう与えるか
といった部分は、組織運営においてとても重要な示唆を含んでいます。

計画作りへの参画は、その後の取り組みにおける当事者意識に大きく関わることはよく知られています。

マネジメントは社員に無能感、無意味感、無力感を学習させてはなりませんが、現実的には、多くの問題が発生しています。

昔は、頭は家に置いて手と足だけ出社しろという経営者も居たくらいです。
それでも、時代の潮流の中で多くの社員は仕事と家庭を両立させてきました。

さて、カヤックにはキャリアプランが無いそうですが、企業にとってキャリアプランには生活保障的な要素もあります。

カヤックの面白さは、旧来の会社の概念を変える一方で、現実的な問題(社員のライフステージなど)と向き合うこれからその本領が発揮されるのかもしれません。


Life


2016年2月8日月曜日

「俺の時には・・・」 苦難を超えた人の言葉には毒がある?

以前、ぐるなびの田中潤さんが、新卒時の就職活動は、「誰もが一度経験していて、そして誰もが一度しか経験しない」といった話されているのを聞き、「上手いこと言うなぁ・・・」と感心したことがあります。

話の文脈は、就職活動(企業にとっては採用活動)を巡る環境は毎年変化しているにも関わらず、誰もが外野から口を出しやすいので、学生も採用担当者も活動を進めるうえで身近な人から共感を得るのに苦労が絶えない、であったと記憶しています。

たまたま、今日以下の記事を読みました。

最終面接で落ちると「かなりダメージ」立ち直れない(毎日新聞 しゅーかつ日記)

当事者である就活生にしてみれば、親は何もわかっていないのにわかったようなことを言うな、という感じでしょう。

企業の採用担当者では、「俺に時にはこうだったからそうするべきだ」と有り難くないアドバイスを上司から頂くことも珍しくないようです。

さて、このような周囲の声がなぜ有り難く感じられないのでしょうか。

就活生や採用担当者が人として成熟していないからでしょうか。

実は、大変な思いをした人は、同じ状況の人に対して共感しにくいという研究があります。

乗り越えた経験が評価を厳しくしてしまうというのです。

個人的にもそういえば、何となく心当たりがあります。

この研究結果を当てはめると、周囲の苦境を乗り越えた経験者の言葉には冷たく客観的に批評する要素が潜んでおり、言われた人はそれを敏感に感じ取ることで「むかつく」のかもしれません。

もちろん、ある一面の可能性ではありますが個人的には気をつけたいことです。


女性は専業主婦ではなく働くべきという同性の意見は、年齢が高いほうが多くなるそうですが、これも、厳しい評価ゆえなのでしょうか。


言葉の毒に気をつけよう






2016年2月7日日曜日

学生の就職活動をとりまくトレンドとは?

消費者のソーシャル・トレンド分析には以下の3つの視点とそれぞれの特徴となる傾向性があります。

自己実現のための変化探求トレンド
 生活単純化傾向、自然回帰傾向、無秩序許容傾向、生活個性化傾向、生活文化創造傾、生活意義探求傾向

個人の精神的・肉体的トレンド
 健康志向傾向、ストレス回避傾向、癒し探索傾向、美的付加傾向、五感重視傾向、自己分析傾向、神秘体験探求傾向、個人宗教探索傾向、性的自由傾向、現在享楽傾向、刺激探求傾向

社会との同調トレンド
 家族主義傾向、コミュニティ参加傾向、科学技術依存傾向、ビックネス不信傾向、性差開放傾向、社会規範重視傾向、生活の社会化傾向

さて、今日の就活において、ナビサイトや各種対策講座など学生を支援するサービスの現況を鑑みるに、自己実現の変化探求トレンドでは生活単純化傾向、個人の精神的・肉体的トレンドではストレス回避傾向・自己分析傾向、社会との同調トレンドにおいては生活の社会化傾向が強まっているように思えます。

一言でいうと学生の消費トレンド、短絡化、依存化、現状肯定化を数多くのサービスが後押ししているのです。

一方で、成熟化、グローバル化、少子高齢化など多くの課題に直面する企業にとって期待する人材とは、複雑な状況でも積極的に協働しながら未経験のことでも挑戦し経験と内省を繰り返して学習を行う人です。

つまり、自発的協働意欲を持ったプロフェッショナルに成長できる人材です。

企業において早期離職も問題となるなか、社会的に就職活動の意味づけと支援サービスのあり方を考えるべきではないでしょうか。


社会人への橋渡し



2016年2月6日土曜日

生命とは自分の時間を生きること 生命と記憶の関係性

以前、三鷹天命反転住宅で行われた小林康夫氏(哲学者 東京大学大学院総合文化研究科 教授)と池上高志氏(複雑系の科学者 東京大学大学院情報学環 教授)の対談で、生命とは「自分の時間を生きること」という話がありました。

お掃除ロボットルンバが、反転住宅の傾斜した床を自由に掃除できるようになったら、それは生命だというのです。

さて、人間は「過去の記憶」はもちろん、「未来の記憶」も持つことができます。

つまりさきほどの定義で言えば、記憶は人間が自分の時間を生きている証でもあるのです。

また、記憶は視覚的イメージだけでなく、五感の全てにあります。

おふくろの味、異国の匂い、愛犬の手触り、そして懐かしい音楽など、枚挙にいとまがありません。

そして、記憶は日常の出来事を手がかりにして引き出されます。

例えば、ホテルで役員合宿を行う→スパがある→リゾート→Eagles の Last Resort→1970年代のファッションや当時の空気の匂い といった具合で連想法のように行為、記述、概念、音、匂いとまさに記憶を使って自分の時間を生きているのです。


記憶の品

2016年2月5日金曜日

ジョブディスクリションと終身雇用 言語が生み出す?行為が生み出す?

戦後、労働人口が足りない状況で、アメリカは仕事を定義して代替可能な状況の実現を目指したのに対して、日本は、優先的配分(採用倫理憲章、そして採用選考に関する指針)と終身雇用によって人材の確保を目指しました。

これは、第二次世界大戦における人材に関する思想とも相通じるものがありそうです。

日本は、機動力が高く、スキルが活かせる零戦で戦い、アメリカは、人材育成のコストを考えて、人命を守る装備に力を注いだのですが、熟達を徹底的に活かす発想と、熟達を高めるプロセスに目を向ける発想の違いがあります。

もちろんどちらが良いか、ということではありませんが、このような違いが生まれるのは何故でしょうか?

一つは、言語の違いがあるでしょう。

言語が思考の違いを生み出すことは研究によって明らかにされています。

しかし、言語が生み出される背景にまで目を向けると、そもそも、どのような行為があるのかを考えなければならないでしょう。

狩猟、開拓が主たる行為であるか、農耕、権益が主たる行為であるかによって生まれる言語の方向性が異なり、その言語によって記述される世界によって思考が形作られる。

であるとすれば、歴史と日常とその背景に目を向けることには大きな意味があるようです。


歴史と日常と行為と言語

2016年2月4日木曜日

「マインドセット」の正体を理解する

1つの目的にむかってチームが進む上で大切なものは何でしょうか?

強いリーダーがいることでしょうか。

メンバーが高いスキルを保有していることでしょうか。

他のメンバーと和気あいあい、仲良くすることでしょうか。

身長160cmの元NBAプレイヤー、マグジー・ボーグスさんは、日本の中学生を指導するNHKの番組の中で弱いチームをわずか6日間で育てて見せました。

その中でマグジーさんは「マインドセット」という言葉を何回も使っています。

160cmしかないマグジーさんのNBA選手になる夢を誰も信じなかったけど、自分は自分を信じ、”「すべてが可能だ」と信じるマインドセット”を持ったそうです。

なぜなら、”ほくは「全て自分で決めよう」とマインドセットした瞬間があった”ことから、マインドセットの大切さに気づいてそうです。

そして以下のように語りました。

”辞めたいと思う時はあるかもしれません。ただ目標へのマインドセットがうまくできれば決して弱音は口にしないでしょう。努力の成果が意識できればきっと何事も続けたいと思うはずです。僕はNBAの選手を育てに来たわけではありません。自信のない彼らにマインドセットの機会を与え人生の成功者にしてあげたいのです。”

mindset
a habitual or characteristic mental attitude that determines how you will interpret and respond to situation

マインドセットとは、状況を解釈し反応する決め手となる習慣的もしくは特定的な心理態度である、ということですが、マグジーさんの言葉からは、チームが一丸となって、個性とその個性を引き出し合って化学反応をおこさせる根本にあるのがマインドセットであると読み解くことができます。

冒頭の話に戻りますが、マインドセットが上手く出来ると、強いリーダーとメンバーのスキルと良い雰囲気とチームワークが生まれ、勝つという目標にむかってチームが進むのであり、これは企業が組織として目標にむかって進むうえでも同じことであるようです。


強いマインドセット


2016年2月3日水曜日

組織はなぜ公正でなくてはならないのか?

世の中には無限と思われるくらい組織が存在します。

それら組織の目的や目標は厳密には固有のものです。

ところが組織を横断的に見渡すといくつかの共通する規範を発見することが出来ます。

規範のひとつが「公正さ」です。

その「公正さ」は、社会の公器としてのものから組織内でのみ成立するものまで様々ですが、エントロピーの増大(乱雑さ)を防ぐ効果があります。

では、どうやってエントロピーの増大を防いでいるのでしょうか。
2つの機能が考えられます。

1.プロトコルとしての機能
2.閾値としての機能

1に関しては、組織内外との疎通を行うためには、共有されているプロトコル、情報交換手続きが必要です。特に互恵関係を成立させるためには、文脈まで含めたプロトコルが必要であり、特定のステイクホルダーを不利な立場にしないという「公正さ」はその代表例です。

2に関しては、常に組織内に発生しているゆらぎが一定水準を越えたときに意味化する役割です。逆に一定水準を超えなければゆらぎを消す役割も果たします。例えば、ステイクホルダーが不平等を感じることにより発生する不満をその強さ、大きさによって問題化する、もしくは、問題化しない機能を「公正さ」が果すのです。

ドラッガーは著書『プロフェッショナルの原点』の中で以下のように語っています。

企業の最大の役割は
経済にかかわる「エントロピーの法則」を
打ち破ることにある

どうやら、「公正さ」は、組織や組織が属する社会をカオスの縁の留める役割を果たしているようです。

ゆえに、組織は「公正さ」を規範とするのでしょう。


秩序とカオスの縁


2016年2月2日火曜日

組織の未来を考える人はだれ? 掛け違いという不幸

組織には、「今、何をするか」だけでなく、「何のためにするか」そして、「それによってどうなるのか」、未来の姿を問うことが求められます。

それは、組織で働く人だけでなく、ステークホルダー全員の問いでもあるからです。

しかし、組織は自ら未来を考え語ることが出来ませんから組織を構成する人が中心となって未来を考え語ることになります。。

さて、組織を構成する人の中で未来を考える「べき」人とは誰でしょうか?

経営者でしょうか?マネジャーでしょうか?若手社員でしょうか?全員でしょうか?

立場と責任では経営者、現場のリーダーとしてはマネジャー、最も長く働くことが出来て可能性を秘めるのは若手社員、平等な個人においては全員ということかもしれません。

また、未来を語るのが好きな人、組織への忠誠心が高い人、知識豊富な専門家かもしれません。

時には企業を再生する人など、組織の外の人が未来を考えている場合もあります。

要するに、未来を考える「べき」人には正解はありません。

一方、組織構成員は皆、組織の未来に向かって働いています。

つまり、自分では考えていなくても、組織の未来を支える一員になっているのです。

ここに掛け違いが生じます。

組織にコミットメントしていない人が組織の未来を支えなければならない、もしくは、組織の未来を支えるという期待を受け止めない人が必ず居るからです。

しかもそれは決してレアケースでありません。

重荷と期待はずれという不幸がそこに待っています。


職業選択の自由は当然ですが、組織に属して働く以上、全ての人に未来を考える期待があることも事実なのです。


誰の上にも空は広がる

2016年2月1日月曜日

オープンソース化という知の創造

オープンソースの流れは更に強まっています。

特に、教育やAI(人工知能)の領域では顕著です。

教育では、MOOC(Massive open online course)によって、開かれた講義が一般化していますし、AIではGoogleやMIcrosoft、FACEBOOKがエンジンをオープンソース化しています。

さて、”オープンソース”をネットワーク化の潮流を抜きに語ることは出来ません。

ITの発達過程で多くの人がネットワーク化による恩恵を受けるには、権利に縛られたクローズなOS(Operating System)が障壁となっていました。

そこで、そのコンセプトや機能を実装したOSがオープンソースによって開発され、その後主流となったのですが、より多くの人や端末が繋がるうえでとても重要な役割を担っています。

一方、オープンソースの中核にあるのが「貢献」と「利他性」です。

そして、対価としての労働ではなく、価値創造のために働く、Y理論型人材が主役です。

つまり、「こんなこといいな、できたらいいな、中略、みんなみんなみんな かなえてくれる」という大局的未来志向の想いで人の能力が結集していると言えるでしょう。

また、例え、オープンソース化を推進する大学や企業の狙いが、良い人材の発掘という利己的な動機であったとしても、未来志向であることは揺らぎませんから、結果として利他的な行為(多くの人がベネフィットを享受する)になるのです。

もっとも、オープンソース化にはテロ、サイバーテロといった破壊的な行為を助長する面もあり、一般社会的価値基準に相反しないとは限りません。オープンソースが規範的か、反規範的かは結果次第なのです。


オープン(カレー)ソース