先日、全てのゲームでは「モンダイを解決せよと命令される」という共通性から、サッカーの選手やチームの目的を「勝つこと」でなく「モンダイを解決する力を高めること」と考えました。
さて、ゲームが提示するモンダイには、「解決せよという命令」だけでなく、「解決できることが保証されている」かつ「モンダイと共に解決手段を与える」でも「必勝、楽勝でもつまらない」そして「失敗する可能性が欲しい」「選択のジレンマがあればよい」などの共通点があり、それはナレッジワークにおける実務と大きく異なります。
実務では「解決できることが保証されていない」かつ「モンダイと共に解決手段は与えられない」ケースが多くあります。
問題解決症候群に陥った大学生が実社会で通用しない点はそこにあります。
「問題解決症候群」妹尾 堅一郎
受動的・指示待ちの学生たちの行動特性の根底ある三つの症候(http://sea.ap.teacup.com/nata/1028.htmlから引用)
【症候1】「問題」は与えられるものだ、と思うこと。
【症候2】与えられた問題には必ず唯一の正解がある、と思うこと。
【症候3】その唯一の正解は誰かがすでに知っていて教えてくれる、と思うこと。
もう少し分解してみるとよく出来たゲームの特徴は以下のようになっているそうですが、
1.モンダイが明確
2.解決手段が手軽
3.行動への反応が明確で達成感がある
4.常にモンダイの状態が変化し続ける
5.常にもっと速度は上がるはずだと思う
6.常にアイテム購入は苦しい(ジレンマ)
この特徴を眺めると、問題解決症候群とゲーム普及の間に因果関係がありそうに思えてしまいます。
話を戻してナレッジワークにおける実務で6つの要素を捉えると、
1.モンダイが不明確
2.解決手段が与えられない
3.行動への反応は不明確で達成感があったり、なかったり
4.常にモンダイの状態が変化し続ける(これは同じ)
5.常にもっと速度は上がるはずだとトップは考えている
6.常にアイテム購入は苦しい(ジレンマ) (これは同じ)
と不確定要素がグンと増えていますからもはやゲームと同一視することはできません。
そして、よいマネジメントは
1.モンダイを明確にする
2.解決手段について考える力を高めることを支援する(基礎力を引き上げる)
3.行動に対してフィードバックを的確に行い手応えを与える
4.モンダイの状態が変化していることを知らせる
5.少しずつ成長の速度を上げさせる
6.ジレンマを通して問題解決力を高める
ということになります。
そしてゲームとは実務は違いますが、ゲームのフレームを使うと、マネジメントのポイントが見えて来るようです。
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